こんにちは、noダーマです。
既にご存知の方も多いかと思いますが、2022年6月16日(日本時間)をもってInternet Explorer(IE)のサポートが終了してしまいました。
2000年頃にインターネット文化に触れていたものであれば、誰もが使っていたであろうIE。
統計データによると、2002年~2004年にはIEのシェア率は95%を超えていたようです。
参考:Wikipedia「ウェブブラウザの利用シェア」
現在の世界シェア1位は「Chrome」で、シェア率は約64%とこれもまた驚くべき数字ですが、全盛期のIEはchromeを遥かに凌ぐ数字を持っていたのです!
ちなみに現在のIEはというと、世界シェア率は1%未満、日本国内でも1%と、今や全く見る影もなくなってしまいました。
一時はブラウザ界を席巻していたIEが、なぜサポート終了するまでに落ち込んでしまったのか。
今回はIEの凋落に関する考察となります。
目次
Internet Explorerの概要

Internet Explorer(IE)とは、マイクロソフトが開発したウェブブラウザです。
Windows95からWindows10に至るまでに標準搭載されたブラウザで、Windowsの普及とともにIEもそのシェア率を伸ばしていきます。
IE公開当初は競合ブラウザが存在していたものの、2000年頃にはIEが完全にブラウザシェアを独占するようになりました。
しかし後述する理由によりIEのシェア率は徐々に右肩下がりとなり、ついに2013年頃には「chrome」にシェア率を抜かされてしまいます。
そしてWindows10からは標準ブラウザが「Microsoft Edge」に変わり、2021年5月にはサポート終了が発表され、ついにIEは終焉を迎えることとなりました。
参考:Wikipedia「Internet Explorer」「ブラウザ戦争」
なぜIEは使われなくなったのか?

筆者が考えるIEが使われなくなった理由は下記の2点です。
・IE特有の不具合、脆弱性の多さ
・機能拡張に消極的だった
順番に解説していきましょう。
IEといえば不具合の多さでも有名で、他のブラウザでは問題なく動作するのにIEだけは正常に動作しないというのが非常に多く見受けられたのです。
ボタンをクリックしても反応しない、画面のレイアウト崩れなどは日常茶飯事で、酷いときは全く想定していない挙動を見せるといったこともありました。
この不具合がユーザーはもちろん、WEBエンジニアからも大不評を買うこととなります。
というのもIEがウェブブラウザの主流だった頃は、否が応にもIEでの動作を保証せざるを得ず、当時の私もIE特有の挙動に四苦八苦したのを覚えています。
その結果、IEでのみ正常動作するという魔物のようなウェブサービスが多数生まれてしまいました。
ブラウザ移行のためにはシステムごと改修しなければならず、基幹システムの場合は簡単に移行できないという別の問題を生み出すことにもなっています。

お役所などにあるPCで未だIEを使っているのはこれが原因だったりします
またIEは普及率の高さから悪意を持ったユーザーの標的にされやすく、以前はOSにまで影響を与えるほどの脆弱性も存在したほどでした。
これらのことから、コンピューターに詳しい人の間ではIEは早々に見限られていた印象です。
そして2005年頃から「Firefox」などといったウェブブラウザが登場し、再びシェア競争が繰り広げられることとなります。
他ブラウザとの差別化を図るためか、この頃に登場したブラウザはIEにはない機能を搭載していたことが特徴でした。
当時、筆者は「Lunascape」というブラウザを好んで使用しており、特殊なマウス操作で設定されたコマンドを実行する「マウスジェスチャー」機能に感動したのを覚えています。
また今でこそ当たり前となりましたが、「タブブラウジング」機能も非常に画期的かつ便利で、これに慣れてしまうと非対応のブラウザを使えなくなってしまいました(笑)
これらと比較してIEは、バグ修正や既存機能のパフォーマンス向上など保守的な改修が多く、徐々に使いにくさが目立つようになってきました。
より良いものがあればそちらに人が流れていくのは世の常で、徐々に「IEはオワコン」という風潮が生まれていた気がします。
ブラウザ乗り換えの流れを止めることができず、2013年にはついに「Chrome」にシェア率を逆転されてしまいました。
一世を風靡したものの時代の変化に付いていくことができず、どんどんと落ちていく様は何とも物悲しいですね。
あとがき
これから先、かつてのChromeやFirefoxのように新たな時代を巻き起こすウェブブラウザは登場するのでしょうか。
近年はブラウザ上でプレイするゲームも多数存在しており、もしかしたらゲームプレイ用に最適化されたブラウザが現れるかもしれません。
そしてIEが初めて世に登場した1995年から27年間、本当に長い間お疲れ様でした。
それではまた次回お会いしましょう。