こんにちは、noダーマです。
先日IPA(情報処理推進機構)より、2021年に発生した社会的に影響が大きかったと考えられる情報セキュリティにおける事案から選出された10大脅威の2022年版が発表されました。
引用:IPA『情報セキュリティ10大脅威 2022』
下記はそのトップ5を列挙したものですが、いずれも目にする、あるいは耳にすることが多い事例かと思います。
順位 | 個人 | 組織 |
1位 | フィッシングによる個人情報等の詐取 | ランサムウェアによる被害 |
2位 | ネット上の誹謗・中傷・デマ | 標的型攻撃による機密情報の窃取 |
3位 | メールやSMS等を使った脅迫・詐欺の手口による金銭要求 | サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃 |
4位 | クレジットカード情報の不正利用 | テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃 |
5位 | スマホ決済の不正利用 | 内部不正による情報漏えい |
ここで個人の第2位にある「ネット上の誹謗・中傷・デマ」に注目してみましょう。
インターネット上にて誹謗中傷を受ける事例は増加傾向にあり、中にはその苦痛に耐えきれず、自ら命を絶ってしまう方も少なくありません。
他者の命を奪う凶器となり得るにも関わらず、誹謗中傷が後を絶たないのは何故なのでしょうか。
今回はインターネット上における誹謗中傷に関して、なぜ誹謗中傷を行うのかの考察と、被害を受けてしまった場合の対策についてご紹介します。
目次
なぜ人は誹謗中傷をするのか?

2020年にBIGLOBEが20代~60代の男女1000人を対象に、アンケート形式で「withコロナ時代のストレスに関する調査」というものを実施しました。
その結果によると「SNSで他者の誹謗中傷をした理由」にてもっとも多いのが「対象が嫌いで我慢ならないから」(33.3%)、次点が「日常のストレスのはけ口」、「対象に嫉妬があるから」(23.3%)でした。
引用:BIGLOBE『SNSでの誹謗中傷に対する罰則「強化すべき」8割強 BIGLOBEが「withコロナ時代のストレスに関する調査」第2弾を発表』
生きていれば当然、好きになれない人は現れますし、不平不満や苛立ちを何かにぶつけたくなる時もあります。
人間であれば誰もが多少なりとも抱いているものでしょう。
上記の結果は一見理由としては理解できなくもないですが、果たして本当にそれだけでしょうか?
もしそれだけが理由なら、もっと多くの人が誹謗中傷を行い、今以上に酷い有様となっているはずです。もう十分酷い有様と言えなくもないですが
みな何かしらのストレスを抱えているのに、誹謗中傷を行う人と行わない人の違いは何か。
それは「匿名=セーフではないという認識の有無」と「承認欲求の満たし方」であると考えています。
まず大前提として、匿名の投稿なら個人が特定されないというのは大きな間違いです。
インターネット上で誹謗中傷を行っていた方が逮捕・刑事告訴されたという事例はいくつも存在します。
にも関わらず「匿名であれば大丈夫」と思っている方が少なくないのは、そういったことを教えてくれる環境が不十分であるせいでしょう。

プログラムよりもネットリテラシーを学校で教える方が大事だと思います
それと最近のインターネット界隈でよく見受けられる「悪いものは徹底的に叩いていい」という風潮も、誹謗中傷を助長していると思っています。
脳科学者である中野信子氏の著書曰く、人の脳は裏切り者や社会のルールから外れた人など、わかりやすい攻撃対象を見つけ、罰することに快感を覚えるようにできているとのことです。
参考:(著)中野信子氏『人は、なぜ他人を許せないのか?』
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こういった行為は「正しいことをしている自分を認めてほしい」という承認欲求からくるものと思われます。
そしてSNSやブログなどで、いいねやコメントの反響を貰えると、確かにその瞬間は満たされるかもしれません。
しかしそれで自らの欲求を満たしてしまうと、快楽を求めて次の攻撃先を求めるようになり、段々と歯止めが利かなくなってきます。
間違った方法でしか満足感を得ることができないというのは同情しますが、かといって他者を貶めていい理由にはなりません。
また「インターネットは好きなことを書いていい」と言う方もいますが、これも大きな間違いです。
そして表現の自由を主張するのもお約束
しっかりとログという記録に残る分、普通のお喋り以上に気を遣う必要があります。
もし誹謗中傷の被害を受けたら
基本的には悪意ある言葉を投げかけられたり、デマを吹聴されたとしても相手にせず無視をすることをオススメします。
しかし、ただ無視を続けていても、これらの行為が止まることの方が少ないでしょう。
そのため、次なる対策として以下のこと試してみてください。
受けた誹謗中傷を記録として残す
自分に寄せられた誹謗中傷を残すというのは非常に心苦しいでしょうが、後に証拠として大きな武器となります。
もしその投稿が削除されたとしても、その記録からログを辿り、加害者を特定するといったことが可能な場合もあります。
記録に残す際はスクリーンショットなどで、いつ・誰がその投稿を行ったかがわかるような形であることが望ましいです。
弁護士に相談
相談先は警察よりも弁護士をオススメします。
加害者が誰かを特定済でもなければ警察は動いてくれないことの方が多いです
最初は無料で相談できるところも増えていますし、インターネット上でのトラブル案件に強い方もいらっしゃいます。
誹謗中傷に対して1人で立ち向かうのはあまりに分が悪すぎます。
確実に味方といえる存在が1人いるだけでも、かなり心の余裕に差が生まれるでしょう。
弁護士費用を捻出するのが難しいという方でも、その人ができ得る範囲で何らかの糸口を提案してくれるはずです。
SNS絶ちをする

インターネットを完全に切り離すことは難しいでしょうが、自分のメンタルが回復するまではSNSなどから離れるというのも1つの手です。
普段の生活の中で、特に用はなくても何となくSNSを見てしまっていることはないでしょうか。
一見難しいように思えても、やってみると意外とできてしまうものだったりします。
インターネットに限ったことではないですが、使い方次第で人を活かすことにも、傷つけることにも使用できてしまいます。
私もいちユーザーとして、見てくださっている方に不快感を与えないように心掛けようと改めて思いました。
それではまた次回お会いしましょう。